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強制執行って何だろう~基本編~

法的紛争が勃発した場合、強制執行という言葉を耳にする機会があるのではないかと思います。

今回は、強制執行の基本的な知識について書いていきたいと思います。

 

なお、強制執行に関する用語は非常に独特なので、できるだけなじみやすい言葉を使って説明します。

そのため、必ずしも正確な説明ではない場合もありますのでご了承ください。

 

 

 

強制執行とは

 

 

 

強制執行というのは、簡単にいうと、権利を強制的に実現するための方法です。

 

「権利」を「強制的に」「実現する」というそれぞれの部分に分けて解説します。

 

 

 

どのような権利があるか

 

 

 

そもそも権利があるのかないのか分からない状態ですと、強制執行をすることはできません。

 

権利があるのかないのか、どのような内容の権利なのかを最終的に判断するのは裁判所です。

 

民事裁判の主な目的は、権利の存否や内容を裁判所に判断してもらい、その判断を前提として強制執行をして、強制的に権利を実現することにあります。

 

「債務名義」という用語があるのですが、このような強制的に権利を実現できる確定判決などのことをといいます(民事執行法22条)。

 

なお、金銭などの一定の給付(支払い)について公正証書が作成され、強制執行受諾文言が含まれている場合、この公正証書も債務名義となります(民事執行法22条5号)。

 

このように、まずはどのような権利があるのかを公的に示す書類が必要になります。

そして、その権利の内容によって、強制執行の方法が変わってきます。

 

 

 

強制的に、とは

 

 

 

義務を負っている相手がその義務を任意に実行してくれない場合、法律の定めに従って、相手方の意思に関係なく、その権利を実現するという意味です。

 

一番なじみやすいのは、給料を差し押さえるというものでしょうか。

金銭の支払いを命じられたにも拘らず任意に支払わない場合、給料「債権」を差し押さえ、その給料を権利者に支払わせるというものです。

なお、給料債権そのものに対しては全額を差し押さえるということはできません。詳細は別のブログで書こうと思います。

 

このような強制執行は、相手方の行動を必要としません。

相手方の行動が必要な場合は、相手方の身体を拘束したり強要したりすることはできませんので、相手方に心理的・経済的なプレッシャーを与えて、相手方の行動を促すという方法になります。

このような方法を「間接強制」といいます。この詳細は後記します。

 

このように、法律の定めに従って、相手方の意思に反しても、権利を強制的に実現させるというのが強制執行なのです。

 

 

 

実現の方法

 

 

 

権利の内容によって実現方法が変わってきますので、場合分けをしてみます。

 

 

① 金銭の支払いを求める場合

 

 

金銭については、債権を差し押さえたり、不動産を差し押さえたりして、相手方(債務者)の資産をお金に換えて、弁済を受けるという流れになります。

 

給料債権などは、勤務先に対して差押命令が裁判所から届き、勤務先はその一部について債務者(当該従業員)に支払うことが禁止されます。

従業員に支払うことが禁止されたその一部を債権者(権利者)に直接支払ってもらうことで実現されます。

 

不動産を差し押さえた場合、競売の申立てをすることになります。

競売により不動産が売却されれば、その代金から支払いを受けることになります。

 

要するに、相手方(債務者)の財産(債権や動産、不動産など)を差し押さえて、強制的にお金に換えたり、債権者へ直接支払ってもらうということです。

 

このほかにも強制管理というものがありますが、割愛します。

 

 

② 建物から退去を求める場合

 

 

家賃の不払いで賃貸借契約を解除し、建物の明け渡しを求めるような事案です。

 

この場合の強制執行の方法は、相手方(債務者)の占有を執行官が解いて、債権者に占有を渡すことで実現します。

 

家の鍵を開錠して、その鍵を債権者に渡すようなイメージを持ってもらえるとわかりやすいかと思います。

 

執行官から引き渡される前に、大家だからといってその家に勝手に立ち入ると揉める原因になったりしますのでやめましょう。

家の中に家財等があった場合、「壊された」、「無くなった」などとクレームをつけられるリスクがあるほか、住居侵入罪となる可能性もあります。

 

ところで、家の中に債務者の家財などが残されていた場合はどうなるでしょうか。

この家財は手続を経るまで、債務者の所有財産ですから勝手に捨てたりすることは認められません。強制執行手続の中で、これらの家財を大家が取得した後に、大家自身の財産として処分する流れになります。

それでは大家が家財を取得するにあたってお金を払わないといけないのかというとそうではなく、建物内に保管しておいてあげたということでその保管料と相殺することが多いです。

これらも強制執行の手続の中で行われますので(民事執行法168条5項後段、民事執行規則154条の2第2項、さほど負担感はないと思います。

 

 

 

③ 建物を収去させ土地の明け渡しを求める場合

 

 

貸した土地の上に債務者が建物を建てているような場合です。

地代の不払い等により賃貸借契約を解除された場合、債務者は建物を収去して土地を明け渡す必要があります。

なお期間満了などの場合は借地借家法に基づく建物買取請求が認められる場合がありますが、賃料不払いなどの債務不履行により解除された場合は建物買取請求権を行使することはできません。

 

強制執行の方法は、建物を解体し、土地の占有を債権者に移転してもらうことになります。

債権者側で解体業者を選び解体費用の見積りをとり、その費用を執行裁判所に予納します。

解体費用など執行にかかる費用は債務者が負担すべきものですが、債務者に資産がない場合には結局債権者が自腹を切ることになります。

 

 

④ 債務者の行為を要する場合

 

 

例えば、資料の開示をせよという判決が出た場合に、資料の開示は債務者の行為を必要としますが、債務者の身体を拘束したりして強要することはできません。

そこで、間接強制という方法になります。

間接強制というのは、上記の例でいえば、資料を開示する日まで1日あたり1万円などという形で支払いを命ずることによって心理的経済的にプレッシャーをかけて債務者の行為を促すというものです。

この支払いが命じられた場合、債務者の資産等を差し押さえるなどによって金銭を回収することになります。

もっとも、債務者に資力がなければ心理的プレッシャーを与えることもできないため、強制執行の方法が間接強制になるような債務者の行動を必要とする権利の場合、債務者の資力等について慎重に検討を行う必要があるでしょう。

 

 

 

おわりに

 

 

 

今回は強制執行の基本的なことをまとめてみました。

訴訟を提起するのは権利の実現のためですから、強制執行のことまで考えておく必要があります。

どのような方法が考えられるか、実現可能性はどれぐらいあるかなどお気軽にご相談頂ければと思います。

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