地震や洪水など災害罹災後の留意点
まずもって、熊本の地震により被災された皆様・関係者の皆様にお見舞い申し上げます。
また、お亡くなりになられた方々に対し哀悼の意を表します。
長野市を含め長野県も台風による堤防の決壊で大打撃を受けた経験があります。
また、長野県内各地の地震により被災された方々もおられます。
これらの災害を経験し、また、復興支援等を行ってきた経験から、何かお役に立てることはないかと思い、本記事を書くことにいたしました。
1.避難所について
避難所ではパーソナルスペースが極めて限られ、精神的ストレスも肉体的ストレスも非常に高い空間かと思います。
もし自身の車内で過ごすとした場合には、いわゆるエコノミークラス症候群には十分お気を付けいただきたいと思います。
時間を決めて定期的に車内から出てふくらはぎを刺激する、車内にいるときも足首を曲げたり伸ばしたりして筋肉を動かし、血流促進を心掛けることが重要かと思います。
私は、飛行機内で足を組んだまま寝てしまい、血栓が肺で詰まり緊急入院し、退院後も半年間の投薬治療生活を送った経験があります。
水分不足もあいまって血栓ができやすい状況が揃った結果なのだと思います。
ちなみに、感染症予防として、長野では入り口と出口を一方通行にし、入っていく人と出ていく人がごちゃまぜにならないようにしていました。また、下足の裏側を消毒するマットを引いていました。
2.家屋の被害状況の保全について
罹災からある程度時間が経つと、復興に向けての取り組みが本格化していきます。
特に、家屋に関する損失をどうするかが重要になってきます。
罹災証明書を取得するためにも、家屋の状況を写真に撮っておくことが重要です。
その際に重要なポイントがあります。
それは、
被害のある場所に近づきすぎている写真はわかりづらい
ということです。
どうしても被害の個所をわかってもらいたい思いからアップで撮ってしまいがちなのですが、家屋の全体が移っている写真と被害の場所の接写の2つを1セットとして考えていただくといいかと思います。
また、倒壊・亀裂などの症状でなくても、例えば、配管がずれたなどの場合でも写真を撮っておくことが重要です。
集合住宅の大家さんなどは特に地震後の近い時期に写真を撮っておかないと、その損傷が地震によって起きたものなのかがわかりづらくなってしまいます。
修繕費用を保険で賄えるかどうかはとても大きな違いになってくると思いますから、とにかく写真を撮っておくことが重要だということです。
3.保険会社との交渉について
写真など適切な証拠が保全されていれば、交渉も有利に進めることができます。
半壊なのか全壊なのかで大きな違いが出てしまうかもしれません。
当然のことながら余震が続く可能性のある状況で、家屋内に入って写真を撮ることは危険ですからやめていただき、落ち着いた段階でしっかりと証拠を残しておくことが重要です。
4.住宅ローンの免除特例措置等
住宅ローンが残っている家屋が地震で倒壊したなどの場合、今後の状況次第ではありますが、要件を満たせばローンが免除されることになるかもしれません。
そのためにも、とにかく地震による被害状況を示す証拠を残しておくことが重要です。
5.支援方法について
物資が足りないということで大量に一度に送ると運送がパンクします。
千羽鶴などの生活に直結しないものは送らないほうがいいのではないかと思います。
長野の洪水ときは、古着などの衣類が大量に余ったと記憶しています。
初期段階では衣類も必要だったかと思いますが、時間の経過とともに必要な物資は変わってきます。
その時々で行政機関等を経由して足りない物資の情報が提供されるかと思いますから、これに応じて必要物資を届ける、というのが最善かと思います。
いま必要としていないものが大量に届いてしまうと、仕分けだったり置き場だったりで混乱するだけになってしまいます。
6.土地の隆起等による境界問題
大規模災害時には土地の境界が不明確になることがあります。
土地家屋調査士などの協力を得ながら少しずつ明確にしていくことになると思います。
ただ、この点についても、現状の境界杭の場所などがわかるように写真を撮っておいたほうがいいかと思います。
混乱している状況に乗じて第三者などがよからぬことをしないとも限りません。
7.自動車について
災害で罹災した場合、保険の対象になるか確認をしてください。
車両保険や代車特約など、証券をチェックしたり代理店に確認したりしましょう。
8.相続について
以下は、いろいろなことが落ち着いてからでもいいかと思いますが、参考までに記載しておきます。
お亡くなりになった場合、相続が発生します。
しかし、災害は急にやってくるものですから、相続の対象となる財産が不明という状況が頻発します。
まずは家財をくまなく確認することです。
遺言書があるかないかが重要な分岐点になりますので、引き出しなど細かく確認する必要があります。
また、公正証書を作成している可能性もありますから公証役場への問い合わせをしたり、法務局の保管制度の利用がないかも確認しましょう。
もし遺言書と書かれた封筒があり、封印されている場合には、封筒は開けずにそのままにして、弁護士等専門家に相談しましょう。
また、預貯金通帳があれば、取引履歴からある程度の推測ができます。
株式や保険の有無などの照会ができることもありますので、弁護士にご相談いただければと思います。
9.おわりに
被災した直後はまだ先の未来を考えることは難しいかと思いますが、未来のための第一歩を踏み出せるタイミングがきた時に、本記事が少しでもお役に立てたらと思います。
地震や洪水など災害罹災後の留意点に関する記事
-
- 2026年7月31日(金)
- 地震や洪水など災害罹災後の留意点
-
- 2026年5月12日(火)
- 【重要】メールお問い合わせ時のお願いについて
-
- 2025年3月5日(水)
- 【御礼】開業5周年を迎えました。
-
- 2021年11月12日(金)
- 遺言に納得できないときにするべきこと
-
- 2020年4月13日(月)
- 遺言・遺産分割に関する情報









