【御礼】開業5周年を迎えました。
2020年3月1日に開業した当事務所も本年をもちまして5周年を迎えました。
これまで当事務所とのご関係をいただいたすべての皆様に感謝を申し上げるとともに、今後もより身近で話しやすい事務所を目指し努力してまいります。
この間、ご依頼いただいた案件はすべて一つのみの特別なものですが、あえて分類するならば、交通事故、相続、離婚、債務整理。家賃滞納の事件は受任事件の中でも多くの割合を占め解決まで寄り添うことができたと考えております。
交通事故の中には死亡事案や重い後遺症が残る事案もありました。これらの事案は、適切な賠償金を獲得することのみならず、解決後にどのようなことに注意してかなければならないか、という観点からご助言をさせていただきました。
過失割合が争点になる案件はウォーキングメジャーを片手に事故現場まで行き現場の測量図を作成したり、後遺障害が争点のときは主治医の整形外科の先生に直接お話を聞きに伺い一緒にMRI画像を見ながら検討を重ねたことも多々あります。
これら一つひとつの細やかな積み重ねが、現在の交通事故案件のノウハウとして蓄積され、見通し等についてご説明する基礎になっています。
相続案件については、亡くなられた方の遺産を単に平等に分けるというだけでなく、亡くなられた方とは生前どのような関係だったか等お話をお聞きしながら、分けられた後の不動産等の資産をどのように活用することができるか、将来を見据えた検討をしつつ、それに応じた分け方をご依頼者様と一緒に作り上げてきました。
離婚についても同じことがいえます。離婚は手段であって目的ではない、との考え方から、ご依頼者様の本音を聞かせていただき、それに応じた手段をご提案することを意識してまいりました。特にお子様がおられる方や持ち家がある方については、離婚さえできれば良いということではなく、その後どのような人生を歩みたいか、というご要望をお聞きしながら、今何ができるかを一緒に考えてまいりました。
債務整理については、任意整理・民事再生・自己破産といった各類型から、どの手段が適切かを検討し、それぞれのメリットデメリットをご説明のうえ、可能な限りご依頼者様の意向に沿えるように対応して参りました。
これまでの人生や今後どうするか等、様々なことをお聞きしております。お話を伺い方向性を確認した後に調査した結果、過払金があり、これを他への返済原資とすることで日々の負担がなくなったという事案もありました。
任意整理は、単に示談を成立させれば良いというものではないと考えています。収支のバランスからして無理な示談をしてしまうと、結局、破産することに繋がっていってしまい、これまでにかかった費用も無駄になってしまうかもしれないからです。ご依頼者様の生活状況をしっかりと聞き取り、無理なく返済することができるのかを検討して対応してまいりました。
民事再生は、持ち家だけは何とか残したいというご希望を実現できるか、という場合に検討することがほとんどです。仮に自宅を残すことができたとしても返済する必要がある部分は残ってしまうため、重要なことは今後の安定的な収入と支出の改善です。数か月間にわたる家計収支を一緒にみながら、なぜこのような現状になってしまっているのか原因を検討し、改善策を一緒に検討してまいりました。
自己破産についても、借り入れることになった原因や返済できなくなった理由等をお聞きし、自己破産が認められた後に再び経済的に苦しくならないようにするにはどのようなことが必要か一緒に考えてきました。ギャンブル依存症が原因の方には支援団体に繋げるといったこともありました。
家賃未納案件については、大家側からのご依頼がほとんどです。生活の本拠を維持するための家賃を払えない状況であれば、滞納家賃を全額回収することはなかなか難しく、今後の損害の拡大を防止するためにはどうしたら良いか、という点を主としてお伝えしています。
通知後に任意で退去された方もいれば、任意に退去しれくれずやむを得ず訴訟をして強制執行するに至った案件も多くあります。
集合住宅のオーナー様はローンを組んでアパートを建てている方もおられます。家賃収入はローンの返済原資ですから、迅速に対応することが求められていると考えています。
このように具体的なご依頼をいただいた案件も多く上りますが、相談のみでお帰りになられた方はその何倍もおられます。
相談のみで終了となった方の中には、相談した結果、気持ちが晴れたとして、笑顔でお帰りになられる方もおられましたし、中には肩を落としながらお帰りになられる方もおられます。ただ、難しいものは難しいとお伝えすることで相談者様の出費を抑えることに繋がります。
この5年間の中で、私自身特に成長したのではないかと思うのは、「相談内容はこのような内容だけれども、本当に困っているのはそれだけなのだろうか」という感性です。このようなことを感じた時には、お話を一つひとつ紐解いていき、相談者様のご要望にお応えしつつ、別の観点からの解決策を提案していくことも増えたと思います。
相談者様からの直接の要望自体は法的に無理だが、別のこの方法であればいける可能性があるのではないか。
この感性が身に付いたのは、顧問先様からのご相談の影響が大きいと思っています。
事業者・経営者の観点は「どうしたらできるか」というアクセル的な思考が多いかと思います。
他方で、相談を受ける私側の意識は、「どのようなリスクがあるか」というブレーキ的な思考が主です。
アクセルもブレーキも事業を実施するうえでどちらも重要ですが、ブレーキだけを求めて相談に来ているわけではない、経営的なリスクを承知のうえでリスクを軽減させるにはどうしたら良いか、代替案はあるか、という点を特に意識するようになりました。
この感性は様々な経営者の皆様とお話させていただいたことによって、私自身の引き出しが増えたことも大きいと思っています。
そしてこの引き出しは、経営上の相談だけでなく、生活上の相談のなかにも活かすことができていると感じています。
振り返るとあっという間の5年でしたが、今後の弁護士人生の礎にもなる5年間だったと思います。
今後もより相談者様・依頼者様のご要望に寄り添い、期待に応えられるように努めてまいる所存です。
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