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成年年齢が引き下げられます

2022年4月1日から、成年年齢が18歳に引き下げられます。


そこでどのような点に注意したらいいかを私なりにまとめてみました。

 

 

1、契約に注意

(1) 取消権が行使できない

18歳、19歳というと高校を卒業して今までとは違う環境に身を置くことになる方も多いのではないでしょうか。
期待を膨らませている方に言葉巧みに近づき、契約書にサインを求めてくる者もいるかもしれません。

従前は、未成年者がした契約は親権者が取り消すことができました。これによって未成年者の保護を図っていたのです。
成年年齢が引き下げられたことにともない、18歳になると親は親権者ではなくなります。そのため、この取消権を行使することができなくなります。

契約の当事者が18歳の子自身となり、法的紛争の矢面に立つのも自分自身になるということです。

 

 

(2)借金に注意


大学に進学した後、クレジットカードを作る機会があるかと思います。クレジットカードは大変便利なものですが、「利息」が発生する場合があることに注意が必要です。
返せる見通しがないのにキャッシングを繰り返し、多数のカードを利用してみるみるうちに多額の借金を負ってしまうことも珍しくありません。
そうなってしまうと債務整理(破産、民事再生)となりかねません。
しかし、債務整理をするといわゆるブラックリストに載って、ローンを組めなくなります。
ブラックリストから削除されるまでは長期間かかりますから、例えば大学を卒業して社会人になった後に必要なローン(自動車の購入など)が組めなくなるという危険もあります。

 

(3)保証に注意

 

「連帯保証人になってくれないか、絶対に迷惑はかけないから」と大事な友人から泣きつかれ、思わずサインしてしまった。ところがその友人がそれから音信不通になってしまった。保証人は借金を肩代わりしなければなりません。払えなければ破産に至り、上記のようにブラックリストに掲載されます。
他人の債務を保証することによって自分にどのようなメリットがあるのかをよく考えて慎重に判断しましょう。

 

(4)性的な動画出演契約

 

いうまでもなく注意が必要です。ネット社会では一度拡散した動画を全て削除することはおよそ不可能です。若い時にした行為が何年も先になって後悔することがないように、慎重に判断しましょう。
なお、一度契約を結んでしまっても公序良俗に違反する契約であると判断されればその契約は無効になります。本人の真の同意がない限り性的な行為は強要されるべきではありません。
契約を結んでしまったからといって諦めず、弁護士に相談してください。

 

(5)お金の支払い

 

「契約だから」と言われても本当に払わないといけないのか慎重に判断する必要があります。一度支払ってしまったお金を取り戻すのはとても大変です。まずは近しい親に相談するか、専門家に相談してから判断しましょう。

 

2、競馬、競輪、パチンコなど

 

成年年齢が18歳に引き下げられても、これらの賭博行為については従前どおり20歳まで制限されます。

 

3、お酒、たばこ

 

お酒やたばこも健康被害や依存症対策のため従前どおり20歳まで制限されます。コンビニなどでトラブルにならないように注意しましょう。

 

4、その他

 

女性の婚姻年齢が従前は16歳でしたが、18歳に引き上げられます。
16歳になったら結婚しよう!と約束している方がおられましたらご注意ください。

 

まとめ

 

法的な知識やお金・ローンのこと、どのようなリスクがあるのかなど、成年に達するまでの間に知っておくことがより一層重要になります。
個人的には、学校のカリキュラムの中であまねく平等に質の高い教育をすることができるかは懐疑的です。子どもを守るために家庭における教育がとても重要になってくると思います。

 

学校は、中高生向けにこういった知識やリスクを教える外部専門家による講義をもっともっと積極的に取り入れて欲しいなと思います。

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