特殊詐欺・オレオレ詐欺・架空請求詐欺
オレオレ詐欺という言葉が周知されてから何年経ったでしょうか。
「母ちゃん助けて詐欺」と呼ぼうなどという動きも一時はありましたね。
「オレだけど」と言われてつい名前を確認してしまうと「そう、〇〇だよ」と続き、そこから色々な小芝居が始まるわけです。
もう少しさかのぼってみると、「ワンクリック詐欺」というものがありました。
今でもあるとは思いますが、URLにアクセスしただけではこちらの氏名住所等を取得されることはないということが常識的な知識となってきてからはあまり聞かなくなりました。
ワンクリック詐欺では、「あなたのIPはこちらです」などとしてリンクをクリックさせるというものもあります。本当に自分のIPが出てくるため慌ててしまうかもしれませんが、そのような場合は、冷静にURLを眺めてみましょう。まったく別のURLであることがわかると思います。簡単な話で、自分のIPをチェックするウェブサイトにアクセスしただけのこと。
話を戻して、オレオレ詐欺は今でもたまに被害にあった報道がありますが、著しく増えたのは劇場型詐欺と言われるものです。
詐欺集団がそれぞれの役割を演じ、代わる代わる電話をかけることですっかり相手を信用させてしまうものです。
最初の電話の担当者はある程度不安にさせたら「この後別の者から電話があると思いますので」などと言って電話を切り、別の者から電話がきます。
弁護士だったり警察官だったり銀行員だったり公務員だったり様々です。
全てにあてはまるであろう特徴は、とにかく急いで振り込ませようとするということです。
「〇〇までに振り込まないと〇〇になる」というのは常套句でしょう。
さらにいえば、振り込んだタイミングまで確認したがるでしょう。
ATMの掲示に、「電話をしながらのお振込みは云々」と書かれるようになったのはこのためです。
詐欺集団としては振り込まれた瞬間に引き出したいので、できるだけ振り込んだ瞬間を把握したいのです。
被害遭ったことを知られると口座が凍結され引き出せなくなってしまいますから。
さて、ここで一息ついてみましょう。
〇〇までに振り込まないと本当に〇〇になるのだろうか、と。
いきなり電話してきておいて、しかも多額のお金を振り込まないと〇〇になってしまうなどということが常識的にあるでしょうか。
そんな大切な話なら、もっと早く連絡があってしかるべきでしょう。
近年は、多額の金員を振込む際に銀行職員などが事情を聴いてギリギリのところで被害を防止できたということもあります。
詐欺集団は、いかに他人に相談をさせないかを常に考えています。
よく耳にするのは、「会社の金を横領してしまった・無くしてしまった」、「痴漢で捕まってしまった」、「アダルトサイト・出会い系サイトの入会金・使用料」など、他の人に事情を話すことがはばかられるような理由で、振り込むように促すものです。
他の人に相談しづらい内容であればあるほど、ぜひ弁護士に相談してください。
弁護士は守秘義務を負っておりますし、何よりも多くの方々の本当に様々な人生を見てきております。
相談しづらい内容であっても、弁護士からみれば日常茶飯事のことだったりするものです。
また、一度被害に遭った方は連鎖的に被害にあってしまうということもよくあります。
被害に遭ったこと自体を家族などにいうことができず、その被害を取り戻したいと考えているところに、「被害を取り戻せますよ」といった詐欺の電話がかかってくるのです。
「取り戻すためには〇〇円かかりますのでまずはお振込みください」というように次々とむしり取られます。
最初の詐欺集団と取り戻せますよと言ってきている集団は同じグループです。
詐欺被害に遭ったことをそんなにタイミングよく他人が知り得るはずがありません。
「この電話番号の人はカモにしやすいぞ」という情報が詐欺グループの中で広まっているのです。
二次被害、三次被害を防ぐためにも、お独りで悩まず、相談してもらいたいと思います。
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- 2020年6月16日(火)
- 特殊詐欺・オレオレ詐欺・架空請求詐欺